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別府細工[べっぷざいく]・中島[なかじま]コレクション

分類 重要文化財
指定別
所在地 大垣市丸ノ内
所有者 大垣市
指定年月日 昭和50年12月10日

別府細工

 別府細工は天明年間(1781〜1788)、本巣郡穂積町大字別府(現瑞穂市内)で広瀬清八・茂十朗の親子2代にわって制作された蝋型[ろうがた]鋳物である。
 主として燭台・香炉・筆筒・根付等を作った。大は70.0cm程から小は10.0cm程の豆燭台まである。仏具とは異なり、文人好みのユニークな作柄である。
 この地方には鋳造の歴史は全くなく、忽然として現れ、親子2代にして後を絶った。蝋型鋳物とは蜜蜂の巣から取った蝋に松脂を適当に練り合わせて作った特殊の蝋で原型を造り、鋳物砂を蝋型に塗り、湯口から蝋を焼き流し、そのすき間に溶解した金属を注入して作品を作る手法である。1個の原型から1個の作品しかできない、いわゆる一品製作で、技術面からみても非常に貴重である。
 作品には、網・貝・魚・船等水郷にふさわしい身近な農具・漁具などをデザインに採り入れ、農民・漁民の庶民生活を素直に表現している。
 以前は中島實氏が所有していたが、現在は大垣市の所有になっている。