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板彫法華曼荼羅[いたぼりほっけまんだら]
板彫法華曼荼羅[いたぼりほっけまんだら]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 揖斐郡揖斐川町谷汲神原 |
所有者 | 横蔵寺 |
指定年月日 |
大正3年4月17日 |
白檀[びゃくだん]の小板の表面に法華曼荼羅図像を浮き彫りにしている。裏面はこれを立てた時に倒れないよう、下部中央に極めて肉厚く傘塔波の形を浮き彫りにし、その上部には衣手を軽く空中に舞う6人の天女を毛彫りにしている。表面の図案は絵画の法華曼荼羅とは異なり、中央多宝塔の内部に釈迦、多宝の2仏を刻んで界線をもって4段とし、ここに20の諸尊を彫り出している。四隅には四天王を配し、多宝塔の左右には文殊・普賢の両菩薩もみえる。息災を祈る法華経法の修法をおこなう際の本尊である。彫刻は精妙巧緻を極め、その陰影の表現は絵画では表せない効果をもつ。
藤原時代の制作で、類品をみない貴重なものである。