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木造韋駄天立像 木造善財童子立像[もくぞういだてんりゅうぞう もくぞうぜんざいどうじりゅうぞう](長瀧寺)
木造韋駄天立像 木造善財童子立像[もくぞういだてんりゅうぞう もくぞうぜんざいどうじりゅうぞう](長瀧寺)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 郡上市白鳥町長滝大門 |
所有者 | 長瀧寺 |
指定年月日 |
平成27年9月4日 |
・木心塑造韋駄天立像について
兜をかぶり、大袖の長い裾の衣を著けて袴を履き、その上に鎧を著けて肩布を胸前で結ぶ。また、膝あてをつけて沓[くつ]をはき、左足をやや踏み出して前傾して立ち、胸前で合掌する。現在は持ち物が失われている。
木彫の上に塑土を盛り上げて成形しているが、塑土は面部や肩の辺りでは非常に薄く、鎧などはかなり厚い。木心の構造は不明であるが、相当に重量があることからして、木彫部は内刳[うちぐり]がなく一木に近い構造と考えられる。彫眼で彩色を施している。
像は裾を左になびかせるだけで、ほとんど動きがなく直立する。面相は面長で眼は切れ長である。一見して中国・南宋時代(1127から1271)の作と判断される。甲冑や着衣などの造形は、細部まで非常に細かく表している。長瀧寺には南宋前期の「湖州渓版一切経」が伝来しており、宋代造立のこの韋駄天像との関係は注目に値する。
・木造善財童子立像について
長瀧寺一切経蔵に安置される善財童子像は、後頭部の髪を束ねて岩座上に合掌して立つ。髪部は練物によって表現し、岩座は桐材でできている。華厳経入法界に登場する求道の童子であり、文殊菩薩の侍者として表されることが多い。彩色してあり韋駄天像と同時代に作られ請来したものである。