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木造四天王立像[もくぞうしてんのうりゅうぞう](長瀧寺)
木造四天王立像[もくぞうしてんのうりゅうぞう](長瀧寺)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 郡上市白鳥町長滝大門 |
所有者 | 長瀧寺 |
指定年月日 |
平成7年6月15日 |
四天王立像は、長瀧寺本尊の釈迦三尊像を祀る本堂須弥壇[しゅみだん]の四隅に安置する。片手を振り上げた激しい動勢を示す持国・増長2天像と肘を深く曲げて持物[じゅもつ]を執る静的な姿の広目・多聞2天像の組み合わせは、快慶作の銘がある金剛峯寺の四天王像(重要文化財)と共通する。
持国・多聞天像は左右2材矧、増長・広目天像は前後割矧の構造で、作風もこれに応じて2様が認められる。忿怒[ふんぬ]の表情に精彩があって太造りの充実した躰躯に造られる前者に対し、後者は面部の筋肉描写が単調で躰部の造形にまとまりをより重視した観があり、少なくとも主たる2名の仏師が関与していると考えられる。4躯いずれも表現に力強さがあって動勢の把握も的確で、その作風には南都の慶派仏師の特色が顕著に認められる。
本一具像の制作は13世紀半ば頃と推定されるが、鎌倉後期にしばしばみられる一種の卑俗な趣や癖の強さはなく、当代の出色のできばえを示す遺品として貴重である。