本文
岐阜県中野山越遺跡出土品[ぎふけんなかのやまこしいせきしゅつどひん]
岐阜県中野山越遺跡出土品[ぎふけんなかのやまこしいせきしゅつどひん]
分類 | 重要文化財 |
---|---|
指定別 | 国 |
所在地 | 飛驒市古川町 |
所有者 | 飛驒市 |
指定年月日 |
平成8年6月27日 |
中野山越遺跡は、宮川左岸扇状地の先端部の標高500mから506mに立地する。昭和51年(1976)の桑園造成工事の際に発見され、昭和51年から同54年(1979)、古川町によって面積2200平方メートルの発掘調査が実施された。
調査の結果、縄文時代の[竪穴]住居跡が32軒検出された。内訳は、縄文時代中期(約5000年から4000年前)に属する住居跡が28軒、後期(約4000年から3000年前)3軒、晩期(約3000年から2300年前)1軒であった。
また土器10000点余、石器3000点余など、多くの遺物が出土した。これらは縄文時代中期の飛騨地域における典型的な組合せを示している。このうち土器は、飛騨地方周辺の北陸、信州、東海をはじめ、西日本に起源を持つ系統のものがみられる。岐阜県は位置的に東西の文化の接点として考えられており、周辺各地とつながる多彩な土器の発見や、翡翠[ひすい]、蛇紋岩、黒曜石の出土から、既に縄文時代から東西文化交流の場であったことが確認された。