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岐阜県元屋敷陶器窯跡出土陶器[ぎふけんもとやしきとうきかまあとしゅつどとうき]
岐阜県元屋敷陶器窯跡出土陶器[ぎふけんもとやしきとうきかまあとしゅつどとうき]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 |
土岐市(土岐市美濃陶磁歴史館寄託) 関市小屋名 |
所有者 | 岐阜県 |
指定年月日 |
平成25年6月19日 |
昭和5年(1930)、荒川豊蔵による牟田洞窯跡の発見を契機として、美濃地域各地で古窯跡の調査が実施され、安土桃山時代から江戸時代に黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部といった桃山茶陶が、これらの古窯で焼成されていたことが明らかになった。この動向を踏まえ、昭和6年(1931)に岐阜県多治見工業学校(当時)が調査した、元屋敷陶器窯跡からの出土品一括である。
これらは、元屋敷窯で焼成された織部黒、黒織部、志野織部、青織部、総織部、赤織部、鳴海織部、美濃唐津、美濃伊賀に分類される各種織部を中心に、元屋敷窯操業以前の大窯(元屋敷東1号窯から3号窯)で焼成された黄瀬戸や志野を含む多様な内容で構成され、各個体の遺存状態も概ね良好である。
わが国の窯業史上、大きな転換期と評価される安土桃山時代から江戸時代にかけての、美濃窯における陶器生産を考える上で貴重な内容を持ち、その学術的価値は高い。