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木造韋駄天立像[もくぞういだてんりゅうぞう](乙津寺)
木造韋駄天立像[もくぞういだてんりゅうぞう](乙津寺)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 岐阜市鏡島中 |
所有者 | 乙津寺 |
指定年月日 |
大正14年4月24日 |
「鏡島の弘法さん」で知られる臨済宗妙心寺派乙津寺の韋駄天立像は、奇木造の彫刻像である。元は総金色像であったが、現在は黒褐色に見える。
面貌や甲冑の写実的表現からみて、鎌倉時代末期の作である。頭上に戴いた兜は別木で作られ、取り外しが自由という珍しいものである。また、その兜の鉢前に鍬形が飾られ、和様化をした韋駄天として興味深い像である。韋駄天は、四天王の南方増長天の部下の一人で、仏法守護の他に物を与えて人々を救うという信仰から、禅宗ではどの寺でもこの像を庫裡に祀っている。この韋駄天立像は、制作年代が古く作行が優秀なことで大変貴重である。