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木造毘沙門天立像[もくぞうびしゃもんてんりゅうぞう](岩滝山奉賛会)
木造毘沙門天立像[もくぞうびしゃもんてんりゅうぞう](岩滝山奉賛会)
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 岐阜市岩滝東 |
所有者 | 岩滝山奉賛会 |
指定年月日 |
大正4年3月26日 |
毘沙門天立像は、岩滝山毘沙門堂の本尊である。檜材の寄木造、玉眼、極彩色の立像である。甲冑に身を固めて腰をひねり、右手に三叉戟[みつまたほこ]を持ち、左手に宝塔を捧げて足は邪鬼を踏んでいる。
光背は輪光で三方に火焔を付している。台座の邪鬼は右向きである。京都三十三間堂の千手観音の眷属[けんぞく]である二十八部衆にみられる華麗さを想起させるもので、鎌倉時代最盛期の典型的な仏像であり、県内屈指の美しい仏像である。
毘沙門天は護法神の一つで、多聞天ともいい、四天王または十二天のうち、北方の守護神であるが、独立した福徳富貴の神としても信仰され、後代は七福神の一つとしても祀られる。通容は武装忿怒[ふんぬ]の形象で、2臂[ひ]。右手に宝棒、左手に宝塔を捧げ、岩座或いは二邪鬼の上に立っている。宝棒の代わりに三叉戟、さく、剣を持つものもある。