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永保寺開山堂[えいほうじかいさんどう] 附宝篋印塔
永保寺開山堂[えいほうじかいさんどう] 附宝篋印塔
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国(国宝) |
所在地 | 多治見市虎渓山町 |
所有者 | 永保寺 |
指定年月日 |
明治34年3月27日 |
文和元年(1352)建立といわれ、礼堂[らいどう]と祠堂[しどう]を相の間によって結ぶ形式は、のちに権現造[ごんげんづくり]を生むにいたる貴重なものである。
礼堂は方3間、祠堂は方1間、ともに入母屋[いりもや]、檜皮葺[ひわだぶき]。妻飾[つまかざり]は観音堂に類する。礼堂の組物[くみもの]は三手先[みてさき]の詰組[つめぐみ]で、粽[ちまき]つきの円柱が礎盤の上に立ち、桟唐戸[さんからと]や窓には華麗な花狭間[はなざま]をはめてある。内部の床は瓦の四半敷、天井は中央を鏡天井、周を化粧屋根裏とし、虹梁[こうりょう]や海老虹梁[えびこうりょう]あるいは大瓶束[たいへいつか]や詰組など、典型的な唐様[からよう]の様式によって複雑な構成美を展開している。祠堂はさらに高い基壇[きだん]の上に建ち、裳階[もこし]をつけている。組物は相の間とともに出三斗[でみっと]、柱は大面取の方柱で方形の礎盤の上に立っている。軒も身舎[もや]を扇垂木[おうぎたるき]、裳階を板軒とするなど変化に富んでいる。祠堂の奥部中央壇上には夢窓国師と仏徳禅師の木像を安置し、この下には仏徳禅師の骨塔と伝える宝篋印塔をおく。

(写真提供:永保寺)