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旧田中家住宅[きゅうたなかけじゅうたく]
旧田中家住宅[きゅうたなかけじゅうたく]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 国 |
所在地 | 高山市上岡本町飛騨民俗村 |
所有者 | 高山市 |
指定年月日 |
昭和46年12月28日 |
田中家の初代は飛騨の国学者田中大秀の庶子で、この建物は大秀が田屋として中切地区から移築し、その子を住まわせたものである。したがって移築年代は19世紀の初頃と推定されるが、現建物の様式や手法から考えると、中切で建設された時期は18世紀中期を下らないものとみられる。この住宅は昭和46年に、旧所有者田中秀茂氏から高山市に寄贈されている。
この住宅は切妻造[きりづまづくり]、板葺石置きの素朴な外観をもつもので、平面を復原すると、中央「オエ」は現在の「ドジ」を含めて広い土座になり、その3方に板敷の「デエ」「ネマ」「ニワ」「マヤ」が配される。「デエ」は奥に3方が壁の仏間をつくり、「オエ」境は片壁をつけて戸を引き込む古式である。背面の「ネマ」は閉鎖性が強い。
構造は中央に井桁状に大梁を架け、その上から束をたてて母屋を受ける簡単なもので、束は梁行に2段の貫で連結される。屋根は板葺石置きになるため、勾配が緩く棟高も低い。
旧田中家住宅は、高山市周辺の旧飛騨灘郷の代表的民家であり、建設年代の古い民家として貴重なものである。
現在、旧田中家住宅は、高山市の飛騨民俗村に移築されて公開されている。
